就任2年目を迎えたJ1磐田の柳下正明監督(50)が攻撃に転じる。24日、磐田市内で今季初の全体練習を行い始動。初日からゲーム形式の練習を行い、細かくつなぐサッカーへの転換に着手した。上位進出のために、リスク覚悟で攻撃的スタイルへの変ぼうを目指す、指揮官の強い決意の表れだった。また、韓国代表に合流する新戦力もいることから、練習試合を2月3日に組むなど、日程面でも先手を打った。

 2年目の柳下監督は大きな決意を胸に始動日を迎えていた。大きく風呂敷を広げないタイプの指揮官が、高ぶる気持ちを抑えながら「攻撃宣言」だ。

 柳下監督

 去年のサッカーにプラスして、細かいパスで組み立ててから、崩していきたい。ノーリスクの戦い方はある。でも、それでは上位へいけない。だから「危ないから大きく蹴っておけ」とは言わないようにする。

 前日の新体制発表会で掲げたリーグ5位以内を実現するには攻撃力アップは最重要課題だ。

 クラブ史上最悪の16位で入れ替え戦まで経験したチームを、ヘッドコーチから昇格して引き受けた昨季。指揮官が現実的に掲げた目標はJ1残留だった。「J1の監督がまず考えることはJ1に残ること。ステップアップはそこから」。

 苦戦を予想していたシーズンを粘り強く乗り切り、戦力の若返りを図って迎えた今季。本来の攻撃スタイルに戻る「ステップアップ」のタイミングがやってきた。この日の練習前にも選手らに伝えた。攻撃で主導権を握ろうと、大号令をかけた。

 あまり具体的な数字を口にしない指揮官が、この日は「(ボール)支配率は60%以上ですね。6~7割あれば相当な支配率」と話した。昨季は押し込まれるシーンが多く、カウンターから好機をつくった。それだけに、自力で好機をつくる変革には痛みを伴うこともあるはずだ。「ミスしてゲームを落とすかもしれない。でもやり続けないと。こちらも我慢強くやっていく」。柳下ジュビロ第2章が始まった。【栗田成芳】