J1清水MF小野伸二(30)が、最高の形で締めくくった!

 清水の鹿児島キャンプ最終日となった16日、京都との練習試合で移籍後“初ゴール&初アシスト”と、チームの全2得点に絡む活躍を見せた。主力組中心でメンバー構成された1、2本目に攻撃的MFとして先発出場。コンディションを考慮し61分間のプレーだったが、限られた時間の中でも絶対的な存在感を見せつけた。

 キャンプ最終日の主役も小野だった。今季初のJ1チームとの練習試合となった京都戦の、2本目の開始5分。FWヨンセンからのショートパスを受けると、相手DF3人をドリブルで振り切り、右足で流し込んだ。ボールがゴールマウスに吸い込まれるのを確認すると、そのままグルリと前転。最後は片ひざを立て、誇らしげにガッツポーズを決めた。

 初ゴールから6分後、今度はパスで見せた。トップ下の位置でボールをキープすると、相手DFラインに進入するFW原の動きを見逃さず、ピンポイントのキラーパスを供給。「最高のパス」(原)で初アシストもマークした。1得点1アシストの“初仕事”を「ゴールに関係したプレーをするのが目標だった。いい仕事ができて良かった」と、納得の表情で振り返った。

 新司令塔の活躍に長谷川監督も「うまいシュートと、いいスルーパス。結果を残してくれたのは大きい。本人にとっても自信になるし、調子も上がっていくと思う」と褒めちぎった。古傷の足首の状態を考慮され、3試合連続の途中交代でフル出場こそ回避したが、小野は「そろそろ90分のペースでやっていける。けがもないし、今までにないぐらいの出来。不安はない」と、順調な仕上がりを強調。20日の名古屋戦か28日の新潟戦でフル出場し、開幕に照準を合わせる。

 「まだ自分が(開幕スタメンで)ピッチに立てる保証はない。1日1日を大事にしてやっていきたい」。主役はどこまでも謙虚だった。【為田聡史】