<ゼロックス・スーパー杯:鹿島1(5PK3)1G大阪>◇東京・国立

 遠藤が危ない!

 G大阪の日本代表MF遠藤保仁(30)が、得意のPKを外し、今季初タイトルを逃した。1-1でPK戦に突入。チーム一番手の遠藤のシュートは、大きく枠を外れた。代表を含めると今季早くも6試合目で、24日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)水原三星戦から、移動含め中2日の超過密日程。疲労の蓄積がPK失敗の引き金となり、試合後には西野朗監督(54)と異例の話し合いまで行った。鹿島がPK戦を5-3で制して2連覇を飾り、賞金3000万円を獲得した。

 その光景に誰もが目を疑った。1-1で突入したPK戦。G大阪最初のキッカーは遠藤だった。いつものようにゆっくりとした助走でもなければ、GKを凝視することもない。焦るように蹴ったボールは、大きくゴール右上を通り抜けていった。

 「(足の)先の方に当たった。ゴールからもだいぶ(シュートが)離れていたんでね。当たりどころが悪ければ、ああなります」。言い訳は一切しなかった。だが、実は疲労で終盤は立っているのがやっとの状態だった。代表戦を含めこの日が6試合目で、すべてフル出場。しかも水原三星戦から、移動を含め中2日の強行日程だ。終盤15分は完全に運動量が落ちた。試合後には西野監督と異例の話し合いを持ったほどだった。

 W杯に向け不安要素になるのは確かだろう。今後も休む暇なく中3日でアジア杯予選バーレーン戦(3月3日)。さらに中2日でJ開幕名古屋戦(同6日)と続く。遠藤は06、08年と過去2度、疲労から体調を崩し入院した経緯がある。このまま使い続ければ6月のW杯に万全で臨めないばかりか、体調を崩してしまう恐れすら出てくる。

 「最後は足が止まったんでね。行けるところまで行こうと思いながらやりましたけど。その辺(体調)に関しては、しっかりケアをしながらやります」。視察した日本代表岡田監督は「(PK失敗は)珍しいね。少し疲れているのかも知れない」と気遣った。3月1日から早速、代表合宿が始まる。遠藤の体調が心配だ。【益子浩一】