石さんがてこ入れを図る。開幕から2戦し、1分け1敗と未勝利のコンサドーレ札幌が、新布陣で21日のアウェー栃木戦に臨む。17日に札幌・宮の沢で行った戦術練習で、主力組のセンターバックに、石川とともに新加入のDF藤山竜仁(36)が起用された。ここまで2試合は出番のない19年目のベテランは「次が大事な試合になる。ここから新たなスタートを切れればいい」と今季初白星に目を向けた。

 2戦を終え失点4。13日のホーム開幕福岡戦は3点を奪われての完敗だった。ボランチと4バックは変えずにきたが、流れを変えるべく、石崎信弘監督(52)はメンバー交代に踏み切る方向だ。藤山について指揮官は「合宿のときより良くなってきた」と状態が上がっていることを強調。経験豊富な男が、嫌なムードを断ち切ってくれることを期待する。

 藤山も役割は分かっている。「ずるずるいってはダメ。みんなで話し合うことが大事だし、いろいろ伝えていくのも自分の仕事だと思っている」。昨季までプレーしたJ1東京では、99年に昇格を経験した。9月まで首位も、10月に初の4連敗を喫するなどし3位に転落。最終戦で2位に滑り込んだ。「貯金があったから何とかなった」と振り返るように、前半で出遅れることは大敵だと身に染みている。

 それだけにまだ2試合終わっただけと、前向きに戦う。「次のゲームで勝って帰ってこれるか。たとえ内容が悪くても、勝てば良かったとなるんだから」。最良の特効薬となる勝利をつかむため、後方で死力を尽くす。【砂田秀人】