<J1:湘南2-0新潟>◇第4節◇27日◇平塚

 湘南が11年ぶりのJ1勝利を挙げた。J1での白星は99年8月7日の名古屋戦(4-2)以来3885日、完封勝利となると98年10月18日の福岡戦(2-0)以来4178日ぶり。「今の湘南は11年前の平塚と全く違うチームだけど、うれしいですね」。FW中村の先制点の起点となり、FW田原の追加点をアシストしたDF臼井幸平(30)は、11年前を振り返りながら言った。

 「チームにとっても、僕にとっても、長かったですね」と臼井は話した。ジュニアユースから湘南(当時平塚)一筋で98年にトップ昇格。「湘南の暴れん坊」と呼ばれた強豪で、1年目から試合に出た。しかし、親会社フジタ撤退で主力選手が流出してJ2降格。臼井も00年の末に戦力外になった。1年間のブランクを経て、02年に練習生として横浜FC入り。山形を経て08年、湘南に復帰した。

 昨年は50試合出場で「また戻りたかった」J1昇格に貢献。チーム最古参はJ2初年度の00年に加入したMF坂本だが、J1時代を知る選手は1人だけだ。「11年前のチームは個の能力が高かった。でも、今の方がチームの一体感はある」と言う。「僕だって、代表をあきらめたわけじゃない」。チームと同じように栄光とどん底を味わった臼井は、J1最高の右サイドバックを目指して言った。【荻島弘一】