<J1:東京2-0大宮>◇第4節◇28日◇NACK

 東京のルーキー、FW重松健太郎(18)が、Jリーグデビュー戦でゴールを決めた。大宮戦の後半11分に途中出場。1-0で迎えた同34分にDF長友のクロスをヘディングでゴールにたたき込み、2-0の勝利に貢献した。ルーキーのデビュー戦ゴールはクラブ史上初。東京ユース出身で、08年の日本クラブユースで得点王、09年のJユース杯では12試合13得点でチームを優勝に導いた逸材が、日本代表の岡田武史監督(53)が視察した御前試合で衝撃デビューを果たした。

 “御前試合”の主役は18歳の新人だった。後半34分、左サイドを突破した長友がクロスを上げた。ボールはニアに走り込んだFW平山を越えてゴール前へ。待っていたのは重松だった。「来たー、という感じ」で頭で合わせた。シュートはGKの手をかすめてネットに突き刺さった。

 後半11分に初めてJリーグのピッチに立って、23分で結果を出した。前半に2人退場者を出して守りを固める相手を攻めあぐねていただけに、チームにとっても貴重な追加点になった。「絶対にチャンスがくると思ってました。いいボールを上げてもらって、(平山)相太君がニヤでつぶれてくれて、みんなに感謝です」と喜んだ。

 ユース時代から注目されたストライカーだった。08年の日本クラブユース選手権で16歳で得点王に輝いた。昨年のJユース杯では12試合13得点で優勝に貢献。鋭いドリブルと、強引にシュートを放つ野性的なプレーから、チーム関係者がつけたニックネームは「オオカミ」。今季トップ昇格後は、今野ら日本代表DF陣の激しいマークを受けての練習で、さらにレベルアップした。「ゴール前でワンステップでシュートを打つ姿勢。シュートのキレ。相手の嫌なところに動いてボールを受けるタイミング。明らかに1カ月前と違う」と、城福監督も起用を決断した。

 この日、4月7日の国際親善試合セルビア戦(大阪・長居)のメンバー選考のため岡田監督が視察にきていたが、代表候補選手を差し置いて、5本のシュートを放った18歳のルーキーが一番輝いていた。それでも「これで満足できない。まだまだ細かいミスをなくさないと」。重松も目標はもっとずっと高いところにある。【塩谷正人】