J1・3位の仙台が、首位に挑む11日のアウェー清水戦(アウスタ)へ向けて足元を見つめ直した。8日の練習前後に40分ずつミーティングを実施。1日2回も異例なら、DF全選手を集めた練習後の居残りミーティングも異例。王者鹿島を2-1で下すなどチーム状態は上向きだが、勝敗に関係なく自軍の反省点を抽出。映像で振り返り、昨季までのJ2では感じなかった不安要素を取り除いた。

 まず練習前に40分のミーティングを行った。練習開始時間を遅らせ、選手全員で主に鹿島戦の反省点を振り返る。これだけでは珍しくないが、練習後に2回目があった上、参加者がDFだけだったことが異例だ。リーグ鹿島戦やG大阪戦、ナビスコ杯の新潟戦で浮き彫りになった守備の課題をピックアップ。映像を見て対処法を確認した。

 手倉森誠監督(42)は「勝ってるからOKじゃなくて、さらに強固な守備を築くためには謙虚な修正が必要だから」と説明し、課題を洗い出した。

 (1)許した突破

 鹿島戦の後半32分。MF小笠原から外回転をかけたパスがFW興梠へ。DF渡辺が付いたが突破を止められず失点。

 (2)崩された右サイド

 G大阪戦の後半40分。DF加地に崩され、折り返しをFW平井に決められた。

 (3)失点以外の危険場面

 鹿島FW興梠やG大阪MF二川ら前線と2列目の選手にギャップやDFラインの裏を狙われた。

 約30分に編集した映像を見せながら、手倉森監督は(1)について「人じゃなく、パスの出し方とか見れば予測できたはず」とアドバイス。(2)では、クロスを許したDF朴が「今後の、相手の動きに対する判断の助けになる」と言えば、DF渡辺も「残り5分で運動量が落ちたせいか、マークの確認を怠った」と分析した。(3)も「J1のうまさ、連動性や試合中は思い出せない課題などを修正できた」と渡辺は「頭の2部練習」の成果を口にした。

 J2の昨季は、51試合39失点で失点率「0・76」に抑え、クラブ記録を樹立。だが今季はすでに5試合6失点で「1・2」。指揮官は「J2時代は見えなかった課題を抽出し続ければ、J1でも対応できるようになる」と期待する。勝ち点1差で追う首位清水は、今季リーグ最少の総失点「2」。得点を許せば厳しい展開が待つだけに、早速この日の成果が試される。【木下淳】