<ナビスコ杯:山形0-0清水>◇14日◇1次リーグ◇B組◇NDスタ

 山形はFWハン・ドンウォン(24)が公式戦初先発したが不発に終わり、清水と引き分けた。

 氷雨が降り指先の感覚がなくなるほどの悪条件下で、山形FWハンは、ただ1人半袖姿だった。13日に、緊張を見せずに「Jリーグで活躍するのが夢だった」と語った韓国人FW。カップ戦で結果を出し、リーグ戦の出場機会を狙うつもりで初先発に臨んだ。

 リーグ戦2連勝中の勢いで、カップ戦初勝利を狙った山形。目標を果たすためハンは前半、ツートップの相棒のFW田代ら味方にパスを供給し、攻撃のリズムを作る。相手は前節のリーグ戦から先発9人を入れ替えた清水とはいえ、前半は引けを取らない展開に導いた。

 ハンに期待する小林監督は、11日リーグ神戸戦にジョーカーとして遠征に帯同させるつもりだった。だが調整期間中に、まさかの食あたり。「まぐろの刺し身がおいしくて食べ過ぎた」とわびたハンは「(先発の)チャンスをくれたので結果を出したい」と、鼻息が荒かった。

 ハーフタイムの気温は3・2度。冷え込みが増した後半開始から、田代に代わり投入されたFWキム・クナンと“韓流ツートップ”を組んだ。周囲もこの2人にボールを集めチャンスを作るが後半11分、キム・クナンがゴールエリア内のシュートをふかすなど、得点が遠かった。

 スコアレスドローに終わったが、リーグ首位の相手から、今予選で初めて勝ち点を奪えたのは明るい材料だ。ハンについて同監督は「ハードワークしてくれて、頑張ってくれた」と縦横無尽に動いたことを評価。さらにチームの底上げに手応えを得ている分「勝ちたかった」と漏らした。チームは、勝てなかった悔しさを17日リーグ横浜戦にぶつける。【山崎安昭】