東京Vの経営権取得を視野に入れ、支援を検討している情報通信関連企業のネクシィーズ(本社・東京・渋谷区)が、Jリーグ側に協力を求めて要望書を提出していたことが29日までに分かった。同社の近藤太香巳社長(42)は「運営するにあたり、クラブ内で改善することはするが、Jリーグの協力を仰がないといけない部分もある」と話した。

 要望はコストカットのための協力などを依頼する内容。ホームスタジアムの試合数を減らし、使用料が廉価の会場を使用すること、賃貸料が推定2億円の練習場の移転等の承諾、今シーズンの財政支援などがある。事業規模は「(年間)8~8・5億は必要になる」という見通しを述べた。

 東京Vの財務状況は深刻だ。ネクシィーズ側は東京Vから支援の打診を受けた2月から、クラブの財務状況を精査。今季の運営資金において、当初、クラブから提示された不足額と実際の金額に、約2倍の開きがあったことが判明。6月にも資金ショートがあり得る状況で、近藤社長は「当初、クラブ側が言った金額は準備できている。足りない資金をJリーグで補てんしていただければ」と話した。

 ネクシィーズは他企業と連合でのクラブ運営も視野に入れ、すでにメーカーなど十数社と交渉。現在までパートナーは決まっていないが経営権取得に向け精力的に動いている。一方で、近藤社長は「Jリーグとの交渉によっては、もちろん支援断念もあり得る」と慎重な姿勢も見せた。Jリーグとは連休明けにも話し合いに入る見込みだ。