<J1:G大阪4-4川崎F>◇第10節◇5日◇万博

 G大阪の日本代表MF遠藤保仁(30)が「満点締め」でW杯メンバー発表前最後の試合を終えた。今季最多2万317人の満員に膨れあがった本拠地万博での川崎F戦。前半33分、いきなり見せ場を作った。右サイドに開いてボールを受けると、全速力で中央へ走り込んできたFW宇佐美に絶好クロスを出した。ドンピシャで頭にあたり、先制ゴールをアシスト。C大阪の試合から、G大阪へと“大阪行脚”した岡田監督の御前試合で、結果を出した。

 試合は今季最多4点を挙げながら、後半ロスタイムの失点で痛恨の引き分け。後味の悪い内容だったが、自身の充実感からか遠藤の表情は明るい。左太もも裏筋膜炎から先発復帰し、2試合連続でフル出場。日本の心臓は「もう(故障は)何ら問題ない。今日もしっかり動けた。コンディションは上がっている。それが何よりだと思う。別に(岡田)監督が来たからと言って、自分のプレーが変わることはない。10日(のメンバー発表)が楽しみです」と明るく言った。

 06年W杯ドイツ大会のメンバー発表前は、眠れなかった。当時を「落ちるとすれば、自分だと思っていた。かなり緊張していた」と振り返ったこともある。ようやく23人枠に滑り込んだが、本大会ではフィールド選手で唯一、出場機会なし。あれから4年が経ち、日本の中心にまで登りつめた自負がある。故障を抱えながらも、今は「やるべきことはすべてやった」と心の底から思える。

 あとは吉報を待つだけだ。夢舞台はいよいよ1カ月後に迫る。復調した遠藤が、南アフリカで輝く。【益子浩一】