<J2:札幌2-2大分>◇第13節◇16日◇室蘭市入江運動公園陸上競技場

 コンサドーレ札幌は、前半4分にFWキリノ(25)の2戦連発となるゴールで先制。1-1とされた同41分にオウンゴールで勝ち越すも後半32分に失点し白星を逃した。今季、先制点を挙げた試合は6度あるが、追加点を挙げ勝利につなげたのは3月28日の岡山戦のみ。たたみかけられない攻撃陣の甘さも引き金となり、貴重な勝ち点3をとりこぼした。

 札幌が“追加点欠乏症”で目の前の勝ち点3を逃した。2-2で迎えた後半42分、MF砂川の左クロスにFW内村がゴール前に飛び込むもジャストミートできなかった。「体のどこにでも当ててねじこみたかったのに」と内村。その2分後には再び砂川の左クロスに上里が飛び込むも、右足のシュートは枠を外れゴール裏へこぼれていった。終盤の必死の攻撃もむなしく、結果は勝ち点1だった。

 もどかしい試合だった。前半4分、キリノが相手DFからボールを奪い右足で2試合連続のゴール。同31分に同点に追いつかれたが、その10分後に岡本のシュートは相手DFの対処ミスもあり、オウンゴールにつながった。追いつかれても突き放すところまでは良かった。だが、勝ちきるための最後の1発が遠かった。

 石崎監督は「3点目を決められない。その状況が残念な結果につながってしまった」と振り返った。2-1で迎えた後半21分には上里の左FKをDF西嶋がゴール前で合わせた。どんぴしゃのタイミングだったが、シュートははゴール上へ。西嶋は「あれを決めておけば3-1にできたのに」と悔やんだ。甘さが結果となって表れた。

 2点差をつけられない。今季、先制した試合は12試合中6試合と半分を占めるが、相手に2点差以上をつけ勝ったのは3月28日の岡山戦のみ。最少得点差が続けば、追われる立場の方が精神的にも不利になる。追加点を取れないもどかしさの中、最終的に後手に回り白星を逃した。

 札幌は現在勝ち点14で14位。昇格圏3位との勝ち点差は依然10と縮まらない。前節の北九州戦で7試合ぶりの白星を挙げ、連勝で勢いに乗りたいところだったが、また足踏みとなった。DF石川は「引き分けが多く自分たちが強いのか弱いのか分からない状況。厳しい試合もしっかり勝っていかないと」と反省した。リーグは3分の1を消化。本気で昇格を目指すなら、1戦必勝の気持ちで臨まなければ手遅れになる。【永野高輔】