<J2:徳島0-0札幌>◇第14節◇22日◇鳴門大塚

 コンサドーレ札幌は徳島に引き分けた。MF宮沢裕樹(20)が21日の練習で痛めた左足首ねんざのため、この日の朝になり急きょ先発を回避。J初出場の朴鎭■(23)を代役にするというスクランブル態勢で臨んだが、勝利には届かなかった。後半23分から宮沢を強行出場させたが、結果的には今季3度目のスコアレスドロー。最近5戦4分けと勝ちきれない状況が続いている。

 満身創痍(そうい)の札幌が、必死でつかみ取った勝ち点は、またも1だった。後半32分にMF砂川誠(32)が放った強烈なボレーシュートはDFにはじかれ、同ロスタイムにFW内村圭宏(25)がGKをかわして放った右足シュートも、カバーに戻ったDFにブロックされた。内村は「イメージ通りだったのに。徳島の守りが堅かった」と嘆いた。結果は今季6度目となるむなしいドロー劇だった。

 ぼろぼろの状態だった。21日の直前練習で左足首をねんざしたMF宮沢の負傷が、この日朝になって悪化。急きょプロ初出場の朴を代役にして臨んだ。MF上里一将(24)も左ひざ痛のため欠場しており中盤で起点をつくれる2人を欠いた布陣で臨まざるをえなかった。

 当然、主導権は奪えず前半は終始、押し込まれ決定機もつくれなかった。そこで石崎信弘監督(52)は「ボランチでボールが奪えないので無理して使った」と、宮沢を後半23分から朴に代えて強行出場させた。痛み止めの注射をうちながらの出場となった宮沢は「出るからには100%の準備はしていた」と果敢にプレーしたが、得点は生まれなかった。

 結果はドローだったがチーム力の差を見せつけられた。石崎監督は常に「長いリーグ戦は負傷者も出てくる。でもそれを含めたものが真のチーム力」と話してきた。徳島も前半20分にFW津田が負傷交代するなどトラブルもあったが、代役の羽地の高さは札幌DF陣の脅威となった。後半からMF徳重、キムを投入し、シュート数は札幌の倍となる12本。札幌で途中出場した3人は宮沢始め、FW近藤は腰痛と両足首痛、内村も腰痛を抱えていた。近藤、内村は20日に練習合流したばかりと負傷者に頼らざるを得ない現状があった。

 ここ5戦負けなしとはいえ、白星は今季参入したばかりの北九州戦のみ。6度の引き分けは、その北九州と並ぶリーグ最多タイ。内村は「僕らは勝ち点3を取らないと上には上がっていかないのに」と厳しい表情を見せた。昇格するための目標勝ち点75に到達するには、もう3敗しかできない。【永野高輔】※■王へんに秀