<J1:横浜2-1広島>◇第28節◇10月31日◇ニッパ球

 ザックジャパンの定位置は譲らない。横浜DF栗原勇蔵(27)が、日本代表ザッケローニ監督が視察する中、絶妙の決勝アシストで、日本代表でポジションが重なる広島DF槙野を翻弄(ほんろう)してみせた。

 同点で迎えた後半36分。センターバックの位置から右サイドを駆け上がった。MF中村からパスを受け、シュートを狙った。ドリブルで前に出ると槙野が詰めてきた。シュートを警戒する相手の裏をかき、瞬時にラストパスに切り替えた。「中に出したら誰かいるだろう」。右クロスをMF清水がうまく合わせ、これが決勝ゴールとなった。

 栗原は、してやったりの表情だ。「槙野とプレーが絡むと(メディアを通して)大きく扱われてしまう。やられないように考えて試合に入った」。槙野は攻撃力と明るい性格で注目度、人気ともに上昇中。ザックジャパンでは、そのライバルを抑え、2試合連続で先発フル出場しているが、お株を奪う攻撃力を御前試合で見せつけた。「(視察に来ると)集中できるし、下手なプレーはできない。だからいい結果につながる」と栗原。横浜の木村監督も「代表の貫禄(かんろく)かな、いや違うか?」と笑顔で振り返るほど存在感を発揮していた。【松田秀彦】