山形の小林伸二監督(50)が来季も指揮を執ることが7日、分かった。クラブ側からは8月に非公式の形で、J1残留を決めた直後の11月下旬には正式に要請を受けていた。今後、双方の話し合いの場が設けられ、来季の戦力構想やチームのビジョンを確認し、契約に至る見通しだ。

 「小林山形」が4季目に突入する。クラブ側が夏場から送ってきた「ラブコール」を、小林監督が受け止めた。チームとしてはJFL時代を含めると石崎信弘氏(52、95~98年)と並び、Jリーグに加盟(99年)してから最長となる。小林監督はこの日、来季の続投について「指揮は執りますが、クラブが求めているものや細かいことを確認して、(契約)ですね」と明言した。

 今季は11勝14敗9分けで13位。2年連続でJ1に残留した。08年には就任初年度ながら、J2で2位と結果を出し、チームをJ1昇格へ導いた。守備力を重視した09年は、終盤まで柏との激しい残留争いの末、15位(10勝15敗9分け)に踏みとどまった。攻撃面の強化に着手してきた今季はシーズン中に「4-4-2」のシステムから「4-3-3」へ移行。10月以降はG大阪や浦和、天皇杯では川崎Fといった強豪を撃破し、成長を証明した。

 小林監督の戦いはすでに始まっている。来季に向け、鹿島からレンタル移籍中のFW田代、MF増田の引き留めは最重要課題。外国人選手不足による得点力低下の解消も進めなければならない。山積みの課題を解決し、実りある11年に備える。今後はクラブ側と話し合いを行い、詳細を煮詰めていく予定。25日の天皇杯準々決勝(対清水=アウスタ)までには、山形と契約を結ぶとみられる。