<高円宮U-18プレミアリーグ・イースト:清水ユース5-3静岡学園>◇最終節◇11日◇エコパ

 悩み抜いた10番が、解き放たれた。最終節となった静岡ダービー。清水ユースが1点ビハインドの前半14分、MF山崎祐也(18)は約25メートル先のゴールを狙いすました。芯をとらえたボールは絶妙に変化しながら、ブレ球となってゴールに突き刺さった。自身にとって今季公式戦初ゴール。後半37分にも決めてこの日2点をマークした。「同点ゴールを決めた後のことは、何も覚えていない」と、興奮を抑えきれなかった。

 重責を背中に感じながら、今季スタートを切っていた。開幕前、チームで背番号を決めているときに「10番は3年生がつけた方がいい。祐也がつけろ」と仲間から託された。一昨年のFW鍋田亜人夢(20)昨年のMF柴原誠(19)と10番を背負った選手は、2年連続でトップ昇格を果たしていた。「この番号には重さを感じたけど、自分なりにやってきてよかった」。ゴールだけにこだわらず、チームの勝利のために動いた。

 2点目を決めた直後の後半30分、右サイドをドリブル突破するとゴールを見据えながらシュートを打たず、ゴール前のFW柏瀬暁(18)にアシスト。ハットトリックの可能性を残しながらも、確実なプレーを選択した。「ハットトリックは狙っていたけど、うちのエースに決めてもらいたくて」。その姿勢こそが山崎のスタイルだった。

 卒業後は大学進学を断り、社会人チームでプロへの道を目指す。だが、その前に23日には4強入りしたJユース杯準決勝がある。「まずはチームでの競争に勝って試合に出たい」。謙虚であり前向き。今季の10番は、ひと味違う。【栗田成芳】