INAC神戸のなでしこリーグ開幕戦(4月14日か15日)の対戦相手に、今季昇格した大阪高槻が最有力になっていることが19日、分かった。20日の実行委員会で討議され、今月中にも発表される。なでしこジャパン7人を擁するINAC神戸に、千葉からFW丸山桂里奈(28)を獲得した大阪高槻が挑む「阪神ダービー」は、実現すれば、五輪イヤー幕開けの注目カードになる。

 戦力、環境ともに群を抜くINACにとり連覇は譲れないノルマだ。星川監督は「日本基準を世界基準のサッカーにもっていけるようにしなくてはならない。当然無敗記録にはこだわる」と公言する。新主将のFW大野、川澄らの“バルセロナ流”の華麗なパス回しは魅力。新戦力にU-20(20歳以下)日本代表エースFW京川、MF仲田、田中陽の若手を加え、底上げにも成功した。

 一方の大阪高槻は、右膝前十字靱帯(じんたい)損傷から復活を期す丸山を補強した。リハビリは順調で「開幕には必ず間に合わせる。五輪メンバーに入るために高槻で結果を出さないと」と力強い。また、U-20代表の左SB浜田も注目株。「沢さんたちと対戦できるのは本当に楽しみ。試合で得ることも多いと思うけど、結果にもこだわらないと」。

 クラブには新規スポンサーもつき、夏場のナイター開催、各節1~2試合のテレビ中継など、環境は激変している。その中で、沢の言葉は今季の重要性を物語る。「五輪だけでなく女子サッカー界にとって勝負の年。私たちが魅力的なサッカーを続けることで、女子の競技人口が増えてくれると思う」。ファンの心をつかむ開幕カードが、ひとつの起爆剤になる。