<高校サッカー:国学院久我山1(5PK4)1日章学園>◇2回戦◇2日◇駒沢

 国学院久我山(東京A)が粘って勝った。1点を追う後半34分、左CKからファーサイドでDF花房稔(3年)が豪快なヘディングシュートで同点に。PK戦にもつれこんでも、勢いのまま5人すべてが成功させた。花房は「狙っていた。絶対に来ると思った」と同点弾を、「GKが動いていたから、ど真ん中にと」と5人目のキッカーとして勝負を決した場面を、納得顔で振り返った。

 今大会で勇退する李監督は「守備陣がゴール前へ出て圧力をかけたから、流れが動いた」と終盤の押し上げが奏功したという。「危険なボールを蹴れる」と、セットプレーのキッカー要員として大会直前にベンチ入りメンバーに加えたFW檜垣を、残り10分で投入。両親がバスケットボール選手で、自ら「垂直跳びは73センチ。身体能力には自信がある」という花房とのホットラインが成立し、采配もピタリと当たった。

 「僕はPK戦が嫌いだから、練習しなかった」と李監督は照れ笑いする。PK戦の順番は3年生が話し合って決め、花房は「自分が決めてやる」と5番目を志願したと明かした。そして「目標はベスト8だけど、先を見ないで1戦1戦」と続けた。【岡田美奈】