<サッカー全日本高校女子選手権:常盤木学園9-1聖和学園>◇準々決勝◇6日◇兵庫・三木総合防災公園第2陸上競技場

 常盤木学園(宮城)FW白木星(あかり=3年)が、ハットトリックでチームを13大会連続の4強入りへ導いた。1-0の前半20分に追加点を奪うと、同39分と後半5分にゴールして4-0と試合を決定づけた。なでしこリーグ浦和入りが決まっているエースは、聖和学園(宮城)との宮城対決に完勝。今日7日の準決勝は、くしくも昨年度準決勝でPK戦の末に敗れた藤枝順心(静岡)と顔を合わせる。

 白木の技術が凝縮されていた。常盤木学園1点リードの前半20分。右サイドからドリブルで中央へ切れ込み、DFを切り返してかわし左足で決めた。2点目はFW小林里歌子(2年)のパスを受け、ドリブルで相手を抜き去った。「何回か練習でやっているプレー。決められて良かった」。

 長身171センチを生かしたドリブル突破と、昨年のU-18日本代表合宿の40メートル走で「5、6番目に速かった」と話すスピード。3点目も相手DFを置き去りにした。マンマークされても、フリーになってシュートを打つ状況をつくる。ゴールに近づけばGKを見ないで「ゴールを見る」。それが決定力につながる。

 4日の2回戦はトップ下で点に絡めず「ゴールへの意識が足りなかった」と反省。この日は1トップを任され、結果を出した。聖和学園との宮城対決にも「いつも通りやっていれば点を取れる」と落ち着いていた。3日の1回戦は2得点して計5得点。得点ランクもチームメートの小林里と並び1位に浮上した。

 あと2勝と迫った高校最後のタイトル。今日7日の準決勝で対戦する藤枝順心とは、昨年度は後半ロスタイムに同点に追いつかれ、PK戦の末に敗れた。大会史上初の3連覇が夢と消えた。全国総体や国体を観戦できなかった父剛さん(43)と母由美さん(43)が、今大会は故郷・札幌から駆けつけているのも発奮材料だ。「このまま流れに乗って優勝したい」。入団する浦和と支えてくれた両親へ、V奪回という最高の贈り物をする。【久野朗】