<J1:鹿島2-1C大阪>◇第9節◇17日◇カシマ

 鹿島FW大迫勇也(21)が、1得点1アシストでチームを今季初の4連勝に導いた。相手に先制されて迎えた後半10分、右足ミドルで同点ゴールを挙げた。同29分にはゴール前で相手DF2人を引きつけ、ゴール右でフリーで待つMF増田誓志(26)にラストパスを送った。U-22(22歳以下)代表でもレギュラーの座をつかみつつある若きエースが、ロンドン五輪最終予選前に調子を上げてきた。

 大迫は、右足に全神経を集中した。後半7分に先制される厳しい展開。シュート後に体が浮かび上がるくらい、思いきり右足を振り抜いた。「練習パターンでもあるし、狙ってました。相手は前半退場者を出したし、負けるわけにはいかなかった」。右足ひと振りで沈滞ムードを一掃すると、同29分には決勝点をアシストした。

 マルキーニョスが退団し、エースFWの重圧を感じていた。しかし、7月31日のC大阪戦の前にベテランMF中田から「まだ3年目なんだから、チームのためとか考えなくていい。それはオレらが考えればいいことだ」と助言を受けた。それ以来、吹っ切れたかのようにゴールに向かう姿勢が強くなり、U-22代表でも存在感を高めている。

 大迫の活躍でチームは今季初の4連勝で6位に浮上。「鹿島はこの順位にいるチームじゃない」。若きエースが、さらにチームを引き上げる。