<J2:水戸1-2札幌>◇第4節◇3日◇Ksスタ

 昇格圏最接近1差!

 J2札幌は水戸に勝利した。前半6分にFWジオゴ(28)が2試合ぶりのゴールを決め先制。1-1の後半6分にはジオゴの右クロスからMF砂川誠(34)が決勝ゴールを決めた。12勝4分け7敗で勝ち点40とし暫定4位に浮上。昇格圏との差を勝ち点1に縮めた。11日に札幌厚別で対戦する栃木(3日現在2位)との直接対決次第で、石崎体制初の昇格圏3位以内に入る可能性が出てきた。

 ジオゴが飛んだ。前半6分、左MF砂川の左クロスに頭から飛び込んだ。低空飛行ながら相手DF2人の間をすり抜ける技ありヘッド。ボールは鋭くゴール右に突き刺さる先制弾となった。決めれば昇格率100%の敵地水戸戦での助っ人弾だ。「ジオゴカラスが戻ってきたんだよ」。独特のカラスパフォーマンスで盛り上げると、ショーはまだ終わらなかった。

 1-1の後半6分には右サイドに開いてゴール前に鋭いクロス。DFにあたったボールがMF砂川の前にこぼれ、決勝点につながった。「きょうは1アシスト1ゴールのスナ(砂川)と、もう1人が頑張ったからさ。その1人の名前はオレの口からは恥ずかしくて言えないけどね」。助っ人が2ゴールに絡む活躍で、勝ち点3を呼び込んだ。

 徹底マークを受けた岡山戦の課題をすぐに克服した。「きょうの勝利はグループが1つになって戦えた結果だよ」。この試合も厳しいマークを受けたが、状況に応じてサイドに流れるなど砂川、近藤、内村ら2列目の選手とポジションを変え、相手守備陣を翻弄(ほんろう)した。三上強化部長はジオゴについて「頭がいいから研究されても自分で考えて打開できる。そういう選手だと思って獲得した」と言う。クラブの期待通り、変幻自在な動きで優良外国人ぶりを発揮した。

 ジオゴ補強時のテーマは「FWを含む前の4選手で1試合2点以上取れる攻撃陣をつくること」だった。新11番加入後は5試合10点。課題の得点力不足は解消され、石崎監督も「立ち上がりは飛び出し、くさび、サイドといい攻撃が見られた」と手応えを口にした。

 助っ人を軸に水戸に連勝し、暫定4位に浮上した。昇格圏とは今季最少の勝ち点1差。次は昇格圏の栃木との直接対決となる。ジオゴは後半途中で左足首を捻挫し交代したが「次の試合は大丈夫さ」と軽傷を強調。今度は札幌厚別に幸運のカラスが舞い降りる。【永野高輔】