U-22(22歳以下)日本代表コンビが「打倒永井」を誓った。流通経大は13日、Jリーグ内定会見を開き、同代表のMF山村和也(21)の鹿島、DF比嘉祐介(22)の横浜への内定を発表した。2人は対戦したい相手に名古屋FW永井謙佑(22)を挙げ、「止めたい」と口をそろえた。同代表の同僚のエースに挑戦状をたたきつける所信表明となった。GK増田卓也(22)は広島、MF中里崇宏(21)はJ2横浜FCに内定した。

 標的はロンドン五輪出場を共に目指す仲間だった。4人のJリーガー誕生を発表する場。集まった報道陣約50人から戦いたい選手を聞かれると、山村、比嘉が意外な名前を口にした。

 山村

 永井さんです。大学選抜、昨年のW杯帯同、昨年のアジア大会、その他の遠征。去年は1年の4分の1くらい一緒にいました。止めたいです。

 比嘉

 僕も永井さんと1回やってみたいです。

 1学年上の50メートル5秒8を誇る快足FW。U-22日本代表で同じく日の丸を背負う絶対的エース。その得点能力と韋駄天(いだてん)ぶりを守備的位置から見ていて、実はサッカー選手の本能がうずいていた。

 3月まで福岡大に所属していた永井とは2度対戦。昨年の総理大臣杯1回戦では、永井の突破をエリア内で山村が倒し、PKを献上。2-3で敗れた。比嘉も「やられました」と振り返る。山村は「スピードを乗らせる前にコースに入らないと。競ったら負ける」とプロとしてのリベンジ機会を心待ちにした。

 同僚として戦う同代表は、明日15日からロンドン五輪アジア最終予選マレーシア戦(21日、ベアスタ)に向けた合宿を開始する。山村は「これで悩むこともない。サッカーに集中できる」、比嘉も「ロンドンでアピールしたい」と進路を決めて気分は高まる。互いの切磋琢磨(せっさたくま)は、本大会の活躍にもつながるだろう。

 「永井さんに初めてスピードで勝ちましたね」。自分の9月より遅く、昨年12月に名古屋入りが内定した相手を引き合いに、山村は端正な顔を緩ませた。才能豊かな若者たちのライバル心。それは日本サッカー界の未来を明るく照らすはずだ。【阿部健吾】