<J1:山形1-1磐田>◇第28節◇1日◇NDスタ

 山形は磐田と引き分けた。前半3分、MF秋葉勝(27)の右からのクロスに、今季初めてFWで先発出場した伊東俊(23)が頭でドンピシャリ合わせて先制。だが後半12分、3年連続得点王を狙うFW前田遼一(29)に同点弾を浴びた。17位と厳しい状況は変わらぬまま、残り6試合での残留を目指す。

 先制しながら勝てなかった。山形は今季、先手を取ったゲームは4戦全勝だったが、この日は勝ち点1にとどまった。前半3分、MF宮沢の左クロスを中央でFW長谷川が頭でとらえる。GK川口に防がれたが、こぼれ球を秋葉が再び中央へ。頭で合わせたのは身長165センチの伊東。長身FWのような豪快な一撃を決めた。「タイミングも良かったし入ると思った」。今季初のFW起用に、最高の形で結果を出した。

 しかし、その後は磐田にジワジワと反撃を許した。後半12分、MF金園から絶妙なパスを受けた前田が左足を振り抜き、追いつかれた。さらに暗雲が立ち込める。同29分、先制ゴールの後も前線でチャンスメークしていた伊東が、両足をつって交代。勝ち点3がほしい試合だったが、小林監督も「シュンには『もう動くな』と伝えた。勝ち点1を大切にしながら、ということを考えて交代選手を送った」とプランに少々のズレが生じた。

 伊東はアップ時のシュート練習の際に、左足に違和感を覚えていた。「スッと足が抜けていった感じで嫌だった」。試合後には両足首、両太もも裏に痛みが残っており「自分でもわからない。でもちょっとでも痛かったら嫌なんで」。伊東が離脱すれば、チームにとっては大きな痛手となる。【湯浅知彦】