地元での再始動につめかけたサポーターの前で“公開説教”が行われた。仙台手倉森誠監督(44)が4日、全体練習に遅刻したDF朴柱成(28)に雷を落とした。チームは1カ月間のキャンプを終えて前日3日の夜に仙台へ戻ったばかりだったが、寝坊で40分近い遅刻。指揮官は朴の持病である不眠症には理解を示しつつも「普段は間に合ってるわけだから。みんなでいいキャンプをつくってきて、そのリカバリーの大事な日に失態は許されない」と甘えを許さなかった。

 厳しい姿勢を示すことでチームを引き締める意味合いもあった。練習後には円陣で朴を引き合いに出し、普段より長めに話をして全体を戒めた。「サッカーだって小さな積み重ねで勝てるし、小さなミスを積み重ねて負ける。でも、これでチームが締まるな」。長いキャンプが終わって少し緊張が緩みかねないタイミングで、手綱を締め直した。

 前日の神戸との練習試合では、選手間に戦術面でのわずかな意識のズレが見られたという。それでも「逆に自分たちが万全だと思わず、謙虚に準備できる」と前向きに話した。朴の失態もチームの薬にして、ここから1週間で開幕へ向けた仕上げを施す。【亀山泰宏】