<J1:新潟1-1G大阪>◇第4節◇31日◇東北電ス

 まさか、ウソやろ~?

 G大阪の松波正信新監督(37)が、1日早いエープリルフールのような初采配を振るった。逆転を狙った後半21分。監督として初の選手交代で、FWイ・スンヨルに代え、ボランチのMF横谷を投入した。いきなりの“緊急コンバート”。最前線のFWに入れて、攻撃を活性化。得点はならなかったが、初陣で「松波流」の独自色を打ち出した。

 「(横谷は)ボランチですけど、攻撃的な選手だと思っている。フィジカルも強いし前で起点になれる。得点力もありますから」。

 土砂降りの悪天候。ぬれたジャージーから、スーツに着替え初の会見に臨んだ指揮官は納得の表情だ。J1で得点を挙げたことのないプロ7年目横谷も「ガンバであの位置はやったことないです。でも(昨季まで指揮を執った)西野監督にも『お前はボランチじゃないぞ』って言われていたんです」と苦笑いで明かした。

 負けなかった。ACL含め公式戦5戦全敗で、26日にセホーン監督と呂比須ヘッドコーチを解任。たった4日の練習で、新米監督が勝ち点1をつかんだ。だが、どん底のチーム状況を見れば価値あるドローだ。「勝ち点1ですけど、ボクにとっては3に値する。短期間で結果を出せると思う」。次は中2日でACLブニョドコル戦(3日、万博)。ウソじゃなく、今度こそ本当に勝つ。【益子浩一】