<J1:川崎F1-4広島>◇第8節◇28日◇等々力

 川崎Fの風間八宏監督(50)が初采配を振るったが、今季ワーストの4失点で惨敗発進となった。左サイドを何度も割られ、14本ものシュートを浴びた。うち4本はポストを直撃した。ボランチが本職のMF稲本を右CB、DF田中裕をボランチに置く新布陣も、勝利にはつながらなかった。

 それでも新監督に焦りの色はない。指導を始めて5日目。「まだ1つ1つの現象を取り上げる必要はない。稲本もよくリードしてくれた。もっともっと圧倒してボールを持てるようにやっていきたい。辛抱強くやっていきます」。前半33分にはCBから右SBにコンバートされたDF伊藤が、左斜めへ切り込んで3年ぶりとなるゴール。「今までの我慢するサッカーとは違う。前に行く姿勢はみんなが出さないと」と前を向いた。攻撃的な風間サッカーは、少しずつ浸透している。

 この日は地元の大相撲・春日山部屋の力士がついた鏡餅が、ロッカールームや運営本部など場内4カ所に置かれ、風間監督の初陣を祝福した。白星にはつながらなかったが、収穫はあった。来月3日のホーム磐田戦へ切り替える。【由本裕貴】