清水は1日、次節ホーム鹿島戦に向けて完全非公開で約90分の調整を行った。9人で勝利した前節東京戦の勢いに乗りたいが、退場処分を受けたFWアレックス・ブロスケ(28)、FWジミー・フランサ(28)が欠場。代わって先発が有力なFW伊藤翔(23)とMF河井陽介(22)が最大で2位浮上の懸かる一戦の救世主となるべく準備を進めた。

 清水は2人の外国人を欠く苦しい状況に、FW伊藤とMF河井が立ち上がる。2人はこの日、公開された練習の冒頭15分でも笑顔を浮かべるなど好調を印象づけると、終了後は最大で2位浮上の懸かる大一番に向けて「結果を残したい」と、短い言葉に力を込めた。

 FWフランサに代わって先発の可能性が高い伊藤は、前節の東京戦で積極的な仕掛けから強烈なシュートを放つなど、今季リーグ戦初先発で躍動。4月30日の練習でもミニゲームで3点を決めた。今季から取り組む、炭水化物を控えて鶏肉など高タンパクのものを取る食生活も成果が見え始め「今は本当に体がよく動いている。どこで出ようと問題はない。次もやりますよ」と、力強い。

 ここまで4得点を挙げ、チーム公式戦得点王のFWアレックスの穴を埋めるのが有力なのは河井だ。東京戦こそ出番はなかったが、開幕戦から先発出場。静岡ダービーでも貴重な同点弾をアシストするなど、あらゆるポジションで新人離れした安定感を示している。「フォーメーション練習はやっているし、何をするかは分かっている」と、自信すら口にした。

 今季、5戦負けなしのホームで迎え撃つ相手は、最近の公式戦4試合で12得点、4連勝と調子を上げている鹿島だ。それでも伊藤は「自分が点を取って勝つことが理想。ただ、連勝の気持ち良さをもう1度味わうためにもチームで勝ちたい」。河井も「チームの好調の波を崩さないようにやりたい」と、勝利だけを見据えている。【前田和哉】