<ナビスコ杯:神戸1-2清水>◇1次リーグ◇16日◇ホームズ

 リーグ戦前節、途中交代の屈辱を味わった若きコンビが3連勝をもたらした。Bグループの清水は同点で迎えた後半38分、FW大前元紀(22)からのパスをFW高木俊幸(20)がゴール右隅に決め決勝点を挙げた。

 出場機会に飢える若手が、最大のアピールとなる「得点」への道筋を必死に模索した。前半15分、MF小林のスルーパスに今季公式戦初先発のFW鍋田が抜け出し、ゴール前へと詰め寄った。直後の同16分には、公式戦6戦ぶり出場のFW白崎が右サイドでパスを受けると、右サイドを相手DFをなぎ倒しながら突破。好機を演出した。

 試合前から「とにかく結果を出したい」と口をそろえていた2人の奮闘が続く中、迎えた後半10分。ついにゴールネットが揺れる。右サイドを駆け上がったDF吉田のクロスに、小林がダイビングヘッドで合わせ待望の先制点を奪った。ナビスコ杯新潟戦に続く、今季2点目。「リーグ戦で先発するためにも、結果を残したい。この試合が大事になる」と位置づけて臨んだ一戦。有言実行の一撃だった。

 後半19分に一瞬のスキを突かれて同点に追いつかれたが、今度は清水が誇る両翼がゴールをこじ開ける。同23分にFW大前、同30分にFW高木がピッチに立つと、同38分だった。大前のスルーパスを受けた高木がDF1人をかわし、冷静に流し込んで再度勝ち越した。12日のリーグC大阪戦では途中交代を告げられた2人が、わずか8分で胸に抱える悔しさを結果にして見せた。

 これでナビスコ杯は無傷の3連勝。アウェーでの貴重な勝ち点3は、アピール合戦の末につかんだ。中2日の日程で迎える首位浮上が懸かったリーグ浦和戦に向けて、きっちり弾みをつけた。【前田和哉】