“小よく大を制す”。仙台FW赤嶺真吾(28)が、今日19日のホーム名古屋戦で長身センターバック(CB)コンビに挑む。チームの5月初勝利には、DF増川隆洋(32=191センチ)&田中マルクス闘莉王(31=185センチ)という名古屋ツインタワー攻略が近道。得点すれば22戦負けなし、180センチのエースが相手ゴール前の制空権を奪って勝ち点3につなげる。

 相手がデカくたって関係ない。赤嶺が名古屋の長身CB2人に空中ガチンコ勝負を挑む。「誰が見ても強いし、高い。だからといって特別にやりにくさがあるとかではないけど…」。手ごわさを認めつつも、気後れはなし。自然体でクロスボールを待ち受ける。

 昨季のヘディング7得点はリーグトップ、今季も5得点のうち3点は頭でゲット。ちなみにこれも横浜MF谷口と並んでトップタイにつけている。身長180センチはJ全体を見れば、特別高いわけではない。「垂直跳びなら他の人の方が跳ぶんじゃないですか」と話すように、並外れたジャンプ力もない。「相手より前に入れば小さくても、ジャンプが低くても、あまり関係なく先に触れる」とこだわる駆け引きのうまさが、空中戦を制す鍵だ。

 前節12日のG大阪戦。右太もも肉離れからの復帰戦だったが、後半33分に頭で同点弾を突き刺した。「まあ、取らないよりは取った方がいいですよ。間隔も少しあいた分、(得点感覚とか)いろんなものがよみがえるというか…。今後につながるとは思う」。さらなる量産へ手応えを感じ取り、気持ちも乗っている。

 5月3戦未勝利で2位清水に勝ち点2差と迫られているだけに、不敗神話を持つ男の一撃ほど心強いものはない。「首位にいるからではないけど、そんなに嫌な感じはない。下位にいるチームの3戦勝ちなしとは違うと思うので」。“小兵”赤嶺が、ツインタワーの上空から強烈ヘッドをたたき込む。【亀山泰宏】