<J1:神戸2-3C大阪>◇第27節◇29日◇ホームズ

 C大阪が10人で神戸に逆転勝ちを収め、J1残留に1歩前進した。後半15分にDF丸橋祐介(22)が一発退場したが、同36分にMF枝村匠馬(25)が執念の勝ち越しミドル弾を決め、阪神ダービーを制した。14位だったチームは勝ち点35で12位に浮上。J2降格圏の16位G大阪との勝ち点差を6に広げた。

 執念の逆転勝ちだった。3連敗中と苦手にしていた神戸相手に貴重な白星。選手たちは優勝したかのような歓喜の輪を作り、03年以来となる敵地での阪神ダービー勝利を喜んだ。

 苦しい展開だった。1-2で迎えた後半15分、神戸MF野沢へのタックルでDF丸橋が一発退場。だが、同28分にMFシンプリシオのヘッドで同点に追いつくと、同36分には神戸DF高木がスローインの処理を誤った隙をつき、途中出場のMF枝村がボールを奪い、そのまま決勝のミドル弾。負ければJ2降格圏との勝ち点差が縮まる中、今夏レンタル移籍で加入した男が、2試合連続先発落ちの悔しさを右足にぶつけた。

 8月11日の大阪ダービーに続き、またもダービー弾を決めた枝村は「10人で勝てたので気持ちよかった。押している時間帯でしっかり戦えればと思っていた。今日の勝利は(J1残留に向け)だいぶ大きい」と笑顔。清水時代にも磐田との05年の静岡ダービーでプロデビューし、06、09年の対戦で得点を挙げているダービー男は、縁もゆかりもない関西に拠点を移しても、ダービーでの勝負強さは変わらなかった。

 今季途中から復帰したレビークルピ監督は「今までの中でも一番素晴らしい勝利。勝者のメンタリティーが出ているし、これから上位にいくんだという気持ちを感じる」と、闘志をみせた選手たちを褒めたたえた。残り7試合。まだ気は抜けないが、J1残留争いのゴールは確実に近づいてきた。【福岡吉央】