札幌が来季監督候補として、なでしこジャパンの佐々木則夫監督(54)をリストアップしていることが5日、分かった。9月29日の川崎Fに敗れ、残り7試合を残しての降格が決定。この日、石崎信弘監督(54)の、今季限りでの退任が発表された。クラブではJ2となる来季、若手選手を増やし長期的に育成を任せられる人材を新監督として検討中。育成手腕にもたけた同氏を含めた複数候補の中から絞り込んでいく。

 札幌が女子W杯優勝監督に白羽の矢を立てた。クラブ幹部は「来季は若い選手のウエートが高くなる。若手育成が優先的に考えている。指導力、育成手腕ともに佐々木氏はクラブの方向性に合う人材」と明かした。来季は長期的に指揮を任せられる監督を探しており代表監督としての経験、話題性ともに抜群の同氏をリストアップした。

 佐々木氏は91年に現役引退後、NTT関東の監督や大宮の強化育成部長、ユース監督を歴任。若手を育てる手腕には定評がある。現在は大宮の統括アドバイザー、なでしこジャパン代表監督続投と、2つのオファーを受けているが、Jリーグなど男子サッカー指導にも強い興味を持っている。現時点ではまだ正式オファーに至っていないが、ラブコールに興味を示す可能性も十分ある。

 札幌は99年から3季、元日本代表監督の岡田武史氏(56)が指揮するなど、実績と知名度を兼ね備えた指導者を起用してきている。今季は残り7試合でJ史上最速降格という負の記録を更新。屈辱のシーズンとなってしまったが、同氏招聘(しょうへい)で早期J1復帰への土台づくりを目指す。