札幌FWテレ(22)が17日、自身の“ヤット化”計画に乗り出すことを宣言した。札幌ドームサブグラウンドでのチーム練習では、主力組の1トップに入ってプレーした。前日16日の親善試合、日本-ブラジル戦をテレビ観戦。日本代表MF遠藤の正確無比なプレーに刺激を受けた。今季途中加入も4戦無得点。持ち前の体の強さに日本代表ボランチの精度を融合させ、残り6戦でJ初ゴールを狙う。

 テレの目をくぎ付けにしたのは、あこがれのブラジル代表ではなく、日本人の遠藤だった。「一番、際だっていた。自分もあのポジショニングのうまさや冷静さがほしい。ミスがない。と言って、セーフティーなわけでもない。攻めるパスも正確」。尊敬するFWフッキ(ゼニト)の力強さよりも、あえて日本の技に着目した。

 改造計画には最適の教材だ。7月に加入。ブラジルの地方リーグ、イグアス在籍時は186センチ、82キロと恵まれた体格を生かしたヘディングや強力なシュート力が武器だった。だが、速い日本サッカーの中でボールを理想的な形で受けられず、208分無得点。自分の野性味をJリーグで出し切るために気付いたのが、日本屈指の視野の広さと、スペースをつくる動きだった。

 8月末に右太もも裏肉離れで1カ月以上離脱。2日の完全合流後は、まだベンチ入りもしていない。来季のチーム残留も未定だが「まず札幌に貢献したい」と残り試合でのアピールに目を向けた。顔はフッキ似で、前から追い込むプレースタイルはダビ似。そこに遠藤の老練さをミックスさせ、契約延長への足掛かりにする。【永野高輔】