<J1:浦和0-0C大阪>◇第30節◇27日◇埼玉

 浦和が、ペトロビッチ監督(55)の魔法の言葉で、息を吹き返した。仙台戦(20日)で負けた後から「今季は3位でいい」と選手に伝え、プレッシャーを取り除いたことで、イレブンに本来の動きが戻った。C大阪戦は、終始主導権を握るパスサッカーが復活。0-0で引き分け、逆転優勝は厳しくなったが、札幌、仙台に連敗中とは思えない内容で、今後に期待を持たせた。

 逆転優勝へ、勝ち点3が必要な一戦。ペトロビッチ監督は試合後の会見で、終始温厚な笑みを浮かべながら話し続けた。「非常に素晴らしいゲームだった。連敗中だったが、選手たちは勝利への強い気持ち、意地を見せてくれた。勝ち点3以上の価値のある勝ち点1だ」と満足のコメントを述べた。

 4試合を残して、広島、仙台とは勝ち点6差離れた3位。得失点差で15以上離れているため、優勝は事実上難しい。大逆転優勝へは、同監督なりの特効薬が必要だった。

 ペトロビッチ監督

 優勝は厳しいですね。勝ち点、得失点差を考えた場合、首位のチームと順位をひっくり返すのは難しい。現実的な目標は、3位で今シーズンを終えることです。この言葉は今週1週間、選手にも伝えているんです。

 わずかながら優勝の可能性が残っている。なのに、白旗宣言とも取れる発言だ。しかしこの発言には、同監督の緻密な戦略、狙いがある。

 ペトロビッチ監督

 個人的な反省として、札幌戦、仙台戦は僕自身、すごく勝利にこだわって、選手にもその趣旨を伝えている。もし僕が冷静だったのなら、2試合とも勝てたかもしれない。選手たちは順位を意識しすぎて、強い気持ちで戦ったゆえに、冷静さを失ったのかも。それが結果としてマイナスになってしまった。

 広島時代から同監督の指導を受けているDF槙野は「監督からは3位という話を聞いていますが、選手はみんな優勝を目指している。監督は本当に、我々の気持ちを読むのがうまい。優勝のプレッシャーを取り除いてピッチに送りたいのでしょう」。

 3位なら、来季のACLの出場権が得られる。もちろん、同監督がそれ狙いでないことは明白だ。オシム氏の弟子でもある同監督が、魔法の言葉でチームを優勝に導く。【盧載鎭】