中高年層攻略で観客動員を増やせ!

 札幌が来季、徹底したシニア世代への集客増員計画を検討していることが1日、分かった。Jリーグの年齢別観客数は、40歳以上の比率が毎年増加。クラブでは収入が比較的安定した同世代を取り込むため、選手をスポンサー企業や札幌駅など公共の場へ積極的に派遣し、PRにつなげていく。

 J2降格で予想される集客減を新たな取り組みで乗り切る。クラブ幹部は「来季は50、60代などシニア層のサポーターをいかに引き込むかが重要になってくる。そこをターゲットにしたPR方法を考えていきたい」と明かした。現在、プランとして挙がっているのは企業、そして札幌駅や地域商店街への訪問。時間帯も同世代の会社員が通行するタイミングを調整し、選手が直接出向いてPRし、写真撮影などにも応じていく。

 Jリーグの統計によると、観客の年齢分布は40代が01年の13・2%から11年には26・7%に増加、50代以上も8・3%から20%と大幅に増えている。この10年で毎年比率が増えているのがこの2世代で、同幹部は「まず1回来てくれるきっかけをつくることが必要」と言う。若い選手を生かしてピンポイントでシニア層の心をくすぐり、興行収入アップにつなげる。

 今季は7試合を残しての最速降格が影響し、動員目標26万人の到達は厳しく、単年度赤字になることが濃厚。来季からのクラブライセンス制度導入に伴い、連続での赤字決算は避けたいところだ。新手の集客策で降格余波を最低限に食い止める。

 ◆Jリーグ観客の年齢分布

 01年から11年の推移は11~18歳が12・0%→6・9%、19~22歳が11・4%→5・7%、23~29歳が26・2%→13・1%、30~39歳が28・9%→27・5%、40~49歳が13・2%→26・7%、50歳以上が8・3%→20・0%。クラブ別の平均年齢は、札幌の45・8歳が最も高い。