あす13日にアイスタで行われる「静岡ダービー」は、負けられない戦いだ。清水は昨季の加入以来、出場したダービーで3戦全勝を誇るGK林彰洋(25)が、力強く完封を宣言。前節鳥栖戦で初完封を記録した勢いで、磐田攻撃陣もシャットアウトする。

 清水のGK林にとって、今季初めて迎えるダービーまで残り2日。11日、報道陣のみに公開された冒頭15分間のウオーミングアップには程よい緊張感が漂っていた。約1時間半後、非公開練習を終えて取材に対応すると、林に普段の冷静な口調はなかった。珍しく言葉は熱を帯び、闘志をむき出しにした。「ダービーという負けられない戦い。前回はどうだったとかは全く関係ない。結果だけを求めていく」。

 前節鳥栖戦では、開幕からばらばらだった守備が一変した。全員が連動を見せ、今季初の完封を記録した。10日のナビスコ杯川崎F戦でも、林に出番はなかったがDF平岡康裕(26)ら主力守備陣が公式戦2戦連続の無失点。伝統の一戦を前に調子は上向いてきている。

 さらに、1-5と大敗した前回のナビスコ杯ではベンチから冷静に戦況を見詰め、磐田攻撃陣のイメージを頭にたたき込んだ。林は「プレシーズンマッチの時よりも前に早いイメージが強い。攻撃のオプションは増えている。ただ、チームとしてボールの取りどころを明確にできれば、大崩れすることはないと思う」と、手応えを口にする。

 心強いデータも、林を後押しする。昨季の加入後、出場した3試合の静岡ダービーでは全て勝利を飾っている。林は「独特の雰囲気や球際の激しさ、気持ちが入る試合を楽しめている結果だと思う。今回も楽しんで、絶対に訪れる危険な場面でチームのために力を発揮したい。当然、無敗を続けますよ」と、不適に笑った。守護神としてゴールは許さない。【前田和哉】