<ナビスコ杯:大宮2-3清水>◇1次リーグ◇23日◇NACK

 負けるとナビスコ杯1次リーグ敗退が決まってしまう清水は大宮を下し、アウェーで貴重な勝ち点3を挙げた。後半から出場したFWバレー(31)が、公式戦2戦連続ゴールを含む2得点と大活躍。後半だけで5ゴールが生まれた乱打戦を苦しみながらも制した。順位は暫定で4位に浮上。1次リーグ通過ラインとなる2位横浜との勝ち点差も1に縮まり、残り2試合に望みをつなげた。

 予選突破のために負けは許されない。清水は、勝ち点3だけを目指して右サイドから好機をうかがった。前半26分、MF竹内涼(22)の縦パスに抜け出したMF高木純平(30)が右足を振り抜く。同45分にはFW高木俊幸(21)のスルーパスを受けたDF吉田豊(23)が中央にクロス。走り込んだMF八反田康平(23)が頭で合わせてゴールを脅かした。

 出場機会に飢えた若手を中心に流れをつかむと、アフシン・ゴトビ監督(49)は、後半からFW瀬沼優司(22)に代えてFWバレーを投入した。リーグC大阪戦で今季2点目を挙げ、調子を上げる助っ人ストライカーを起用することで、もう1度選手全員にゴールを強く意識させた。

 同7分に中央突破から先制点を失ったが、指揮官の意図は明確で、イレブンに動揺はなかった。失点からわずか3分後の同10分、左サイドでボールを持ったバレーが相手マークをものともせず約40メートルをドリブルで激走。左足でゴールネットを揺らし、同点とした。

 同34分には、吉田のクロスをDF平岡康裕(26)が頭で合わせて勝ち越すと、再度同点とされて迎えた同38分。中央を突破した高木のパスをもらったバレーが、今度は右足で決めた。両軍合わせて5得点が生まれた点取り合戦に終止符を打った。

 苦しみながらもアウェーで貴重な勝ち点3を積み、順位は暫定で4位に浮上。昨年準優勝の意地を見せ、1次リーグ突破へ望みをつないだ。【前田和哉】