<ACL:ブリラム1-1仙台>◇1次リーグE組◇24日◇ブリラム

 仙台は終了間際にFW中原貴之(28)が同点ゴールを決め、決勝トーナメント進出に望みをつないだ。5月1日の最終戦はホームで江蘇舜天(中国)と対戦する。

 仙台が劇的ドローで望みをつないだ。ブリラム戦の後半ロスタイム、途中出場のFW中原が同点弾。ハイリスクハイリターンのパワープレーが実った。1点を追う後半35分、手倉森監督は「2点目を取られればそれまで」と腹を決め、DFの枚数を減らして空中戦に強い中原を投入。さらにラスト5分間は角田の判断でセンターバックの渡辺が最前線へ。値千金の一撃は渡辺が競ったこぼれ球を、中原がダイレクトでたたき込んで生まれた。「信じられないことが最後に起きた」。ガラガラにかれた指揮官の声が、激闘を物語った。

 中原にとっては、待望のシーズン1号だった。昨季は試合終盤の切り札として重宝されながら、今季は公式戦出場わずか49分。4月2日のFCソウル戦も同行しながら出番がなく、帰国後には「移動だけして出ずに、調子を維持するのは難しい。使わないなら、連れていかないでほしい」と直訴していた。たまった鬱憤(うっぷん)を美しいボレーに込めたヒーローは「おいしいところだけもらっちゃったけど、結果が欲しかったから」とうなずいた。

 5月1日の江蘇舜天戦は角田が出場停止、石川もこの日右膝を痛めて負傷交代と苦戦は必至。それでも、勝算を聞かれた手倉森監督は「神のみぞ知ると思います」と不敵に笑ってみせた。(ブリラム=亀山泰宏)