<J1:C大阪0-0大分>◇第8節◇27日◇金鳥スタ

 C大阪が大分と引き分け、金鳥スタ改修後のお披露目試合で白星を逃した。レビークルピ監督(60)はFW杉本健勇(20)を6試合ぶりに先発で起用。攻撃陣は何度もチャンスを作ったが、最後まで決定力を欠き、無得点に終わった。これでチームは開幕3連勝後、5試合連続の勝ちなし。4月は0勝2分け2敗に終わり、8位に転落。5月の巻き返しを狙う。

 桜色に染まった今季初の金鳥スタに、何度もため息がこぼれた。ホームのゴール裏が広くなり、これまで以上にサポーターの声援を背に受けて挑んだ大分戦。今季0勝で完封試合なしだった相手に対し、内容では圧勝したが、シュート16本で無得点。攻撃陣はシュートを外す度に頭を抱えた。

 レビークルピ監督は、開幕から公式戦11戦無得点のFWエジノに代え、FW杉本を先発に抜てきした。だが、FW柿谷とともに4本のシュートを外した20歳は「精度が悪かった。技術の問題。本当に申し訳ない」と浮かない顔。エース柿谷も「恥ずかしい。オレらが試合を決めないとダメ。(杉本)健勇と2人でしっかり反省します」と、頭を垂れた。

 開幕から2カ月が経ち、MF扇原のロングパスでDFラインの背後を狙う攻撃が相手に読まれはじめた。昨年までのようなパスでの崩しからの得点もなかなか奪えない。8試合を終え、6失点はリーグ2位タイだが、逆に7得点は同ワースト2位。攻撃が持ち味のC大阪らしくない結果から抜け出せないのが現状だ。

 それでも、MF山口は「崩しの質は今日が一番いい。5月は全部勝って、いい気分で6月の中断期間に入りたい」と、前を向き直した。レビークルピ監督も「足りないのはシュートの精度だけ。少し我慢が必要かと思う」と、先の長いシーズンを見据えた。

 首位大宮とは勝ち点8差。クラブ創設20周年を初タイトルで祝うためには、これ以上下位から取りこぼしは許されない。5月の5試合で巻き返しを図り、優勝争いに踏みとどまるしかない。【福岡吉央】