リーグ17位に沈む磐田は4日、森下仁志監督(40)の解任を発表した。現在、国内外の候補者を含め後任の人選に入っているが、当面は長沢徹ヘッドコーチ(44)が暫定監督を務め、6日の東京戦から指揮する。後任には、ロンドン五輪で日本を44年ぶりにベスト4に導いた関塚隆氏(52)がリストアップされているとみられる。決定すれば、リーグ中断中の6月にも新体制がスタートする見込みだ。今季のJ1、J2で監督交代は初めて。

 森下氏は前日3日の甲府戦後、クラブハウスに戻って退任通告を受けた。就任初年度の12年、最後の10試合が2勝2分け6敗。今季もクラブワースト記録を更新する7試合連続勝ちなしで、ここまで1勝2分け6敗と苦しんだ。4月27日の湘南戦から3連勝が続投の絶対条件だったが、甲府に完敗し解任が決定した。服部健二GMは「プロの世界の中で、この状況を打開するため、退任の形で切り替えた」。J2降格のピンチを乗り越えるべく、選手へのメッセージも込めたショック療法であった。

 森下氏はこの日午前、選手にあいさつを終えた後、会見し「続けるモチベーションはあったが、自分が決めることではない。成績を出したのも選手のおかげ。維持できなかったのは僕の力不足。指導者として育てていただいたクラブに感謝している」。今後は大阪に戻る予定で「また力を付けて勝負したい」と指導者への意欲を示した。ピッチでは長沢新監督が選手の前で長いミーティングを行い「今は勝ち点を回復してチームのバランスを取り戻すことが大事。今までの努力を無駄にしてほしくないし、自信を回復することを補っていく」と決意を話した。