磐田の和歌山キャンプが3日、海南市の紀三井寺公園陸上競技場でスタートした。15年の和歌山国体のメーン会場で、今年4月にリニューアルしたばかり。選手はこの日、約5時間のバス移動で現地入りし、狭いエリアでの1タッチパス練習など軽めの調整を行った。5月31日から指揮を執る関塚隆監督(52)は「キャンプは去年7月の(ロンドン)五輪直前以来。芝生はいいですね」と、ピッチ内でコーチスタッフとボール回しを楽しむ一幕もあった。

 戦術面の練習はこれからだが、関塚監督は「チームを見るにあたり、先入観で入りたくない。競争してほしい」と話す。各選手に、チームがより良くなるために何が求められているか考えることを意識づけ「一番大事なのは発すること。自分が気付いていることを1人1人が味方に発する。そこも1つの能力だし大事なポイント」と力を込めた。

 これまで、チームは積極的に意見や声を出す選手が少なかった。今季加入した日本代表DF伊野波雅彦(27)はチームの第一印象を「みんな、おとなしい」と語っていたほど。しかし、関塚監督の初日練習から各選手の声がより響くようになり、この日も、MF山田大記主将(24)らが積極的に味方の動きや意思を声に出すなど、徐々に変わりつつある。山田は「ピッチ内でコミュニケーションをしっかりとって、チーム力を上げていきたい。チームメートと過ごす時間が増えるのでメリットはある」。寝食をともにする約1週間のキャンプで、関塚ジュビロが強固なチームへの1歩を踏み出す。【岩田千代巳】