J2札幌が、財前恵一監督(45)に来季の続投要請を出すことが29日、分かった。現在31戦を消化し、15勝2分け14敗の7位。若手戦力を生かし、しっかりとボールをつないで崩す、クラブビジョンに合ったチーム作りで成果を出している点を評価した。9月に入って正式にオファーを出し、早々に14年体制を固める。

 先を見据えて動きだす。前節25日の水戸戦で逆転勝ちし、プレーオフ圏まで勝ち点1差。先制された試合でも安定した力を発揮できるようになっており、クラブではこの日までに体制続投の方針を固めた。野々村芳和社長(41)は来季指揮官について「クラブが目指すチーム作りをしている。(監督を)代える余地はない」と明かした。今後、条件面を詰め、監督サイドに要請する。

 クラブでは就任時から複数年をかけてチームを任せるビジョンだったが、原則は単年契約。J監督経験がない財前監督にとっては、1年目の成績が今後の指標となっていた。それでも昨季主力のMF山本(川崎F)、高木純(清水)ら複数戦力を流出しながら、20歳のMF荒野や新人MF堀米らを適所に起用し、現在はプレーオフ圏目前の7位まで浮上。同社長は「ポゼッションして試合を支配するというビジョンにも合っている」と内容面でも評価した。

 3月に左膝外側半月板損傷でMF古田、4月に右足首手術でDF前、6月には主将のMF河合が左太もも肉離れを患って長期離脱。主力を負傷で欠きながら順位を上げてきたことも、続投方針を固めた要因となった。