ビンが出張PR大使になる!

 J2札幌のベトナム人FWレ・コン・ビン(27)が、14日に東京都内で行われる「日越外交関係樹立40周年記念事業ベトナムフェスティバル2013」に、ゲスト参加することが2日、分かった。翌15日にアウェー栃木戦が控えるが、メンバー入りした場合は、移動途中に日程調整。昨年18万人を集めたイベントで、サッカー教室に参加しながらクラブの取り組みを全国に広める。

 ベトナムの英雄が、コンサドーレを東京から全国に発信する。今回は外交関係樹立40周年の節目の年とあり、駐日ベトナム大使館から「ベトナムフェスティバル」への参加オファーが届いた。クラブ幹部は「こういう場を生かし、北海道での取り組みを全国に知ってもらう機会にしたい」と話した。14日当日は、ビンがサッカー教室に参加する他、スカパー!のブースで札幌のグッズを販売するなどチームPRを行う。

 大きな効果が期待される。昨年は開催2日間で18万人が参加した盛大なもの。同フェスティバルの実行委員会は「ビン選手は母国の英雄。日本に住むベトナム人が殺到するのでは」と話した。ベトナム料理店や、人気アーティストのライブなど、食と文化を広めるイベントで、スポーツ界一の人気者ビンが加われば、昨年以上の盛り上がりになる可能性は高い。

 異例の日程調整で参加にこぎつける。チームは翌15日の午後6時から栃木県グリーンスタジアムで栃木戦を控えている。メンバー入りした場合はチームが東京経由で移動するため、ビンは途中で離れ、代々木でのフェスティバルに参加後、再合流する方法を取る。

 ハード日程も、ビン自身はチーム強化と同時にベトナムと札幌の懸け橋的存在としても期待されている。「クラブのためになることに精いっぱい貢献する」と話しており、今回の参加につながった。チームでも試合への影響が出ないよう、配慮して移動させる。

 さらに11月には、ベトナム国内で日本文化を広めるために開催される「ジャパン・フェスティバル」に、札幌から物販ブースを出すことを検討している。3月にJリーグで初めてベトナムのチーム、ドンタム・ロンアンとクラブ間提携。アジアに目を向けたクラブの取り組みを日本、ベトナム両国に広めることで、新たなファン開拓につなげる。

 ◆ベトナムフェスティバル2013

 日越外交関係樹立40周年記念事業として「誰もが楽しめる世代を超えたベトナム文化を伝えるフェスティバル」をコンセプトに14、15日の2日間、東京・代々木公園イベント広場で開催。約90の物販ブースが出店される。ステージでは女性歌手ドンニィらベトナムからアーティスト3組が初来日し、盛り上げる。日本側実行委員長は元参院議員の松田岩夫氏、ベトナム側実行委員長は駐日ベトナム大使のドアン・スアン・フン氏が務める。