メリハリ合宿で効率よく体を鍛える。J2札幌は20日、沖縄合宿をスタートさせた。11泊12日の同合宿は26日のオフを挟んで原則、午前、午後の2部練習となる。ハードメニューが確実な半面、チームは国頭郡の海岸沿いのリゾートホテルに宿泊。08年から5年間使ったグアム合宿の宿舎は、海から離れゴルフ場に囲まれていたが、今回は波の音によるヒーリング効果も生かしながら、トレーニングに集中させる。

 厳しくしごきあげるだけが強化ではない。札幌の選手たちは、この日から沖縄合宿を開始。クラブ関係者は今回の宿舎について「部屋もリフォームされ、きれいだし立地もいい。疲れた選手たちもリラックスして過ごせるはず」と話した。沖縄県協会やFC琉球幹部など、地元関係者から情報を集めて絞り込んだ宿舎は、国頭郡恩納村の沖縄海岸国定公園沿いに建つリゾートホテル。約300室中8割がオーシャンビューになっている。バルコニーからエメラルドブルーの海を一望できるシチュエーションで当然、心地いい波の音が部屋に流れ込んでくる。

 関係者は「ゆっくり眠れることが合宿にとって大事な要素の1つ。波の音による癒やし効果も、あるかもしれない」と言う。波音は脳がリラックスしているときに出すα波を増やす効果があると言われている。今合宿では、海辺の部屋が選手の安眠をアシストすることで日々の疲れを取り、激しいトレーニングへの集中力を、より高めていく。

 12年まで5シーズン、1次合宿地として利用したグアムの宿舎は、リゾート地とはいえ、海岸から車で約40分以上、熱帯雨林に入った場所にあった。周囲はゴルフ場や、うっそうとした森になっており、波の音は、ほぼ聞こえなかった。今回は波の音に加えて白い砂、青い海原をながめることによる、視覚からのヒーリング効果も期待できる。

 観光気分になるのは禁物だが、ハードメニューだからこそ生きる配慮。練習日程も当初、12日間オフなしだったが古辺コーチが「1回、休ませた方が効果が上がる」と26日に終日オフを設けた。やるときはやる、休むときは休む。オンとオフをしっかり分け、J1昇格への土台を築き上げる。【永野高輔】