「大声番長」が、開幕スタメンに向けて猛アピールする。J2札幌の新加入GK金山隼樹(25)が今日9日、熊本との練習試合で正守護神争いに本格参戦する。今季2度目の対外試合は、同じJ2勢が相手。チームは前日の8日、ディフェンスラインの連係を入念に確認し、11対11のミニゲームで実戦に備えた。

 ゴール前から張り上げられる声の大きさは、群を抜く。昨季は長崎で39試合に出場し、リーグ最少34失点と鉄壁を誇った。「声を出すことでDFが相手の動きに気付くことがある」。敵の動きを読み、的確に指示を飛ばす。「とにかく明るいのがいい。判断も速い。今のところ期待通りのプレーをしてくれている」と赤池GKコーチ。左アキレスけん断裂の大けがから復帰した李、昨季チーム最多38試合出場の杉山とレギュラーを争う。

 中学時代は応援団長を務めていた。「大声を出すことが癖になっているんです」。食事会場では、周囲から疎ましがられるほど積極的にチームメートに話しかけ、新天地になじもうと必死だ。先月30日の琉球大との練習試合では途中出場し「どうやってブロックを作るかが見えてきた」と手応えを感じている。

 サッカー界では内田(シャルケ)野球界では田中(ヤンキース)と同じ88年生まれ。「僕(の時代)も、これから来ますから。まだ伸びしろはあるんで」。スターの座を虎視眈々(たんたん)と狙っている。【中島宙恵】