今季から新設されたJ3が明日9日に開幕する。参入初年度の藤枝はアウェーで町田と対戦(東京・町田市陸上競技場、午後1時)する。チームは水島武蔵監督(49)を迎え、人とボールが連動する攻撃的スタイルを構築。幼少時代をブラジルで過ごすなど、異色の経歴を持つ新指揮官の下、開幕ダッシュを目指してJの舞台に船出する。

 藤枝が新スタイルでJの舞台に挑む。昨季まではロングボール主体のシンプルな攻撃だったが、今季は水島新監督の下、最終ラインからボールをつなぐパスサッカーを構築。守備も高い位置でのボール奪取を目指しハイプレスをかける。J3初年度を迎えるチームは生まれ変わった。

 水島監督

 選手のフィジカル面は上がってきている。チームコンセプトはだいぶ浸透してきた。

 チームを率いる指揮官は10歳で単身ブラジルに留学。名門サンパウロでもプレーした。引退後は横浜FCユース監督やブラジルリーグ・イットアーノのコーチを歴任。異色の経歴を持つが、本場・ブラジルのサッカーを間近で見てきた経験は大きな財産となっている。就任会見では「自分の経験を生かせるチャンス」と語った。きれいごとだけでは勝てる世界ではないことも知っている。

 人とボールがスムーズに連動するスタイルを完成させるために、妥協はしなかった。始動初日から約2時間のハードなメニューを課すなど、開幕までの2カ月間は90分間走りきる体力づくりに重きを置いてきた。

 水島監督

 現代のサッカーで勝つためにはロスタイムまで走れるのが理想。90分間やりきることは世界中のクラブが目指しているし、その部分は難しさであって面白い部分だと思う。

 クラブ創設からわずか5年でJリーグ入りを果たしチームは新指揮官の下で日々たくましくなっている。満を持して迎える開幕戦に向けて、水島監督は「期待して見ていただきたい」と力強く話した。進化した「新生藤枝MYFC」の挑戦がいよいよ幕を開ける。【神谷亮磨】