<J1:新潟0-2G大阪>◇第2節◇8日◇デンカS

 G大阪が、J1復帰後初勝利を挙げた。勝負を分けたプレーは後半24分。日本代表MF遠藤保仁(34)が蹴った左寄りのFKは、いつもと違った。蹴るタイミングを少しだけズラしたのだ。1秒半から2秒ほど。目を凝らしていなければ分からないほどの職人技だ。味方がマンマークに付いている相手をかわした瞬間を見定めて、絶好のボールを送った。岩下が頭で合わせた先制弾はそうして生まれた。

 その場面を、岩下はこう説明する。「練習で『(FKの)助走を遅らせてもらっていいですか?』という話をしたんです。僕らが(FKに)合わせるより、ヤットさん(遠藤)が僕らに合わせてくれた方がいいから」。助走をいつもよりゆっくり、ボールを蹴るときはほんの数秒だけ遅らせることで、ゴール前の駆け引きをする時間を稼ぐ戦法だ。

 ミスが多く敵地で苦戦しながら、先制弾で勢いに乗り、MF大森が追加点。遠藤は「今日に関しては狙い通り」。12年11月17日清水戦以来、J1で476日ぶり勝利は、まさに“作戦勝ち”だった。【益子浩一】