<J2:磐田3-1熊本>◇第3節◇16日◇ヤマハ

 磐田が熊本を下し、12年8月以来の連勝で3位に浮上した。エースFW前田遼一(32)の2戦連続ゴール、10年ぶりにJ復帰となったMF松井大輔(32)の初ゴールで前半だけで3-0とリード。後半は無得点で防戦一方となった反省はあるが、元日本代表のベテランコンビの活躍で、1年でのJ1復帰へエンジンがかかってきた。

 前半7分、松井はゴール前の前田としっかりと目が合った。右サイドの松井のクロスを、ファーサイドにいた前田が右足で押し込んだ。2戦連発と波に乗った前田は同19分にも追加点。松井も負けじと、同36分にFWポポのシュートのこぼれ球に飛び込みネットを揺らした。京都在籍時の04年7月4日(対札幌)以来、約10年ぶりのJゴールだ。

 親友のDF駒野から「今日はゴールを決めてね」とエールを受けていた松井は、ゴール後は駒野の元へ駆け寄った。駒野から「おめでとう」と声をかけられたが「あいつ、声が小さいから、あまり聞こえなかった。でも決められて良かったです」と振り返った。

 前田はマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、10万円をゲット。「松井がいいボールをくれた。ただ、僕自身、よかったのは最初だけだったので、次は90分通して頑張って、勝利を届けられるようにしたい」。1ゴール1アシストの松井は「一番残念なのは、自分がマン・オブ・ザ・マッチじゃないこと。この1週間は遼一に昼ご飯をおごってもらおうと思っています」と笑わせた。

 ただスコアでは快勝も、後半は無得点。早い段階で試合を決めきれなかった反省は残った。松井は「後半、自分がチャンスで2本ほど決めきれなかったから」。昨季はホームでわずか3勝にとどまり、今季もホーム開幕戦は黒星だっただけに「ホームでなかなか勝てないというジンクスは払拭(ふっしょく)できた。これをずっと続けていくことが大事」と次戦を見据えた。【岩田千代巳】