<J1:清水1-3東京>◇第5節◇29日◇アイスタ

 清水は東京に今季初の逆転負けを喫し、リーグ戦での今季ホーム初勝利を逃した。前半5分にFW長沢駿(25)が自身初の公式戦3戦連発となる先制点を決めたが、同44分にカウンターから失点。後半6分にはFW大前元紀(24)がPKを外して流れを失うと、同12分、37分に追加点を決められ万事休す。第2節横浜戦から4戦勝ち無しで、順位はJ2降格圏の16位に転落した。

 リーグ戦での今季ホーム初勝利を狙った清水だったが、結果は今季初の逆転負けだった。アフシン・ゴトビ監督(50)は「大事なところで決めきれずに、流れが変わっていってしまった」と淡々と振り返った。

 指揮官の言葉通り、最後まで流れをつかみ切れなかった。前半5分、FW大前の突破から生まれたゴール前のこぼれ球にFW長沢が反応。豪快に右足を振り抜き、ニアサイドを抜いた。長沢の自身初となる公式戦3戦連続ゴールで先制。スタジアムには無観客試合の“鬱憤(うっぷん)”を晴らすかのような、サポーターの歓声が響き渡った。

 しかし、同44分にカウンターから同点とされると、後半6分には相手のハンドで得たPKを大前が失敗。勝ち越しのチャンスを逃すと、徐々にスタジアムを包む雰囲気が変わっていった。同12分、37分に失点を重ねて力尽きた。大前は「PKを外して流れが悪くなった。責任を感じている」と自らを責めた。

 これで開幕から1勝1分け3敗。順位は、降格圏内の16位まで落ちた。MF六平光成(23)の台頭やFW長沢の好調。新戦力にブレークの予感が漂う一方で、結果が伴わない苦しい戦いが続いている。【前田和哉】