<ACL:山東魯能1-2C大阪>◇1次リーグE組◇23日◇中国済南

 C大阪が敵地で山東魯能(中国)に逆転勝利を収め、最終戦で決勝トーナメント(T)進出を決めた。後半1分に日本代表FW柿谷曜一朗(24)が同点弾、2分後にFWディエゴ・フォルラン(34)が勝ち越し弾を決めた。

 電光石火の逆転劇だった。C大阪の両エースがわずかなチャンスを逃さなかった。後半わずか30秒、MF山口からパスを受けたFW柿谷が、左足のループシュートで同点に追いつくと、FWフォルランも続いた。後半3分、DF丸橋からのクロスをワントラップし、右足で逆転弾。わずか2分で試合をひっくり返した。

 J1では開幕から8試合無得点ながら、ACLでは6試合4得点と大活躍の柿谷は「全員で勝ち取った決勝Tだ」とチーム一丸を強調。公式戦5点目のゴールで続き、この日のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたフォルランも「勝たなければいけない試合で勝ったことが大きい。手応えはある」。3月18日ブリラム戦以来、今季2度目のゴール競演。3月23日鹿島戦以来、公式戦7試合ぶりの勝利へとチームを導いた。

 前節退場したFW南野が出場停止で、退席処分を受けたポポビッチ監督はスタンド観戦。指揮をとったグルイッチ・ヘッドコーチは今季初の3バックを採用したが、序盤はバランスが悪く、前半19分にDF山下の与えたPKで先制点を献上。プランは狂ったが「質の高いプレーができた。流れの中で2ゴールが生まれたのも収穫だ」とたたえた。

 アウェーの洗礼を打ち破った。遠征1週間前には当初宿泊予定で、3年前にも利用した済南市内のホテルを、安全面を不安視する中国公安当局の指示で急きょ郊外へと変更させられた。2日前の練習も途中で打ち切られていた。

 決勝T1回戦の対戦相手は、昨年のアジア王者広州恒大(中国)。1次リーグで横浜が2連敗した手ごわい相手だが、クラブ史上初のタイトルを取るためにも、まずはACLに初出場した11年に並ぶ8強進出を目指す。