<J1:清水1-0仙台>◇第9節◇26日◇アイスタ

 清水がホームで仙台を下し、07年以来7年ぶりの4連勝を飾った。立役者はMF河井陽介(24)。後半18分、FW高木俊幸(22)の折り返しを右足で決めた。同得点までシュートはわずか1本。右膝前十字靱帯(じんたい)断裂で離脱したFW長沢駿(25)の不在に苦しむチームを救った。河井の今季初ゴールに、守備陣も4試合連続の無失点でJ1通算200完封を達成。中2日で迎えるアウェー鹿島戦(29日、カシマ)に向けて、さらに勢いをつけた。

 オレンジ色に染まったスタンドが歓喜に揺れた。MF河井のシュートはDFの股を抜け、真後ろに清水サポーターが待つゴールに突き刺さった。後半18分。FW高木俊の折り返しに、右足を振り抜いた。「俊が最高のボールをくれたので枠に入れるだけだった」。駆け寄る仲間の祝福を受けながら、両拳を握りほえた。

 ここまで公式戦5得点と好調だったFW長沢が、全治8カ月の長期離脱となった。河井が「ボールが前線で収まらなくてリズムができなかった」と言うように、この日のチームが放ったシュートはわずか3本。大苦戦するチームを今季初の4連勝へけん引した。

 三度目の正直でようやく主役の座を射止めた。プロ1年目にナビスコ杯札幌戦で記録したプロ初得点は、MF石毛秀樹(19)のクラブ最年少得点記録更新にかき消された。昨年の仙台戦で決めたリーグ1号も、FW高木俊のバースデーゴールに話題をさらわれていた。河井は「ついに来たね!

 やっぱり気持ちいいものです」と、今季初ゴールの余韻に浸った。

 守備陣も4試合連続の無失点と、抜群の安定感を披露。横浜、鹿島に次ぐ史上3クラブ目のJ1通算200完封を飾った。勢い十分で臨む次節は、アウェーで鹿島と対戦する。「前が点を取れば後ろは守ってくれる。強い相手にどれだけできるのか、今は本当に楽しみ。今日の1点をきっかけに、もっとガツガツ(ゴールを)狙っていきたい」。頼もしい言葉を並べた河井に、長沢に代わるニューヒーロー誕生の予感がした。【前田和哉】

 ◆07年の4連勝

 第28節ホーム名古屋戦をFWチョジェジンのハットトリックで3-0で制すと、29節横浜戦はFW矢島の2得点で2-0。続く30節も2人の活躍で3-1でG大阪を振り切ると、31節広島戦の3-1の勝利で4連勝を達成した。この年は第20節大分戦から6連勝も記録するなど、18勝7分け9敗でリーグ戦で4位に入った。