<ナビスコ杯:浦和5-2名古屋>◇1次リーグ◇1日◇埼玉

 ドイツ1部のヘルタに移籍する浦和MF原口元気(23)が、ラストマッチとなった名古屋戦で“2アシスト”をマークした。快勝を置き土産に盛大に送り出された。試合後の激励セレモニーでは涙ながらに感謝の言葉を恋人にも伝え、場内から声援を浴びた。近日中にドイツへ渡り、正式契約を結ぶ。

 セレモニーで涙をためながらマイクの前に立った原口から、思わぬ言葉が飛び出した。「涙が出るほど悔しく、つらい時に支えてくれた」と感謝の言葉を切り出し「チームメート、監督、スタッフ、恋人」と彼女の存在を出すと、3万3837人からはどよめきが起こった。見守ったチームメートからは「それはダメだろ」とヤジが飛ぶ。スタンドで見守った原口家の面々も、父一(はじめ)さんを筆頭に苦笑いだった。

 原口は「俺の中では普通だったんだけど。感謝している人を言っていったら入っちゃった」と平然。自らのゴール後に「浦和→ドイツ=ロシアW杯

 バイバイ泣き虫

 ゲンキ!!

 元気!!」と書かれたアンダーシャツを見せたDF槙野は「スピーチは何日か前から考えてたらしい。それであの言葉(恋人)をチョイスするんだから」と笑った。

 前半から積極的に、ゴール前に顔を出した。シュートを4本放ちながら無得点も、FW李へのクロスとFKのこぼれ球を槙野が押し込み2ゴールに絡んだ。「気持ちよくドイツへ旅立てる」と納得の表情だ。浦和の元気から世界の原口へ-。決意を胸にドイツへと渡る。【高橋悟史】